開催趣旨

企業は成長戦略としてグローバル展開を進める中で、顕著になる社会面・環境面・資源面での制約を背景に、これまでの延長線上ではない取り組みが求められるようになりました。

企業が直面する多面的な課題は、GRIが示す課題や指標として明確にされています。
また、課題に対する重要度は企業ごとに異なり、その違いに応じたその企業ならではの取り組みが求められています。
企業とステークホルダーにとっての重要な課題を特定するこのプロセスはG3からの流れであり、この考え方はG4でも変わっていません。

一方で、G3からの大きな変更点として以下のようなことがあります。

  1. 重要な課題が埋もれてしまうという懸念から、情報開示の側面においても網羅性から重要(マテリアルな)課題を中心とした情報の質が求められるようになったこと
  2. バウンダリーを特定して経営層が関与したマネジメントをすること
  3. 長期的成功についての情報開示も求められるようになったこと

等々。

G4以後、国際統合報告評議会(IIRC)から統合報告フレームワークが発行され、さらには金融庁が日本版スチュワードシップ・コードが発行されるなど企業を取り巻くコミュニケーションの状況が大きく動いています。
今後、機関投資家を含むステークホルダーとのコミュニケーション、エンゲージメントのためにはGRI G4等を大いに活用して自社のESGに関するマテリアリティ課題を抽出し、それらについての方針・戦略・取組などを整理し、ストーリー性を持って伝えることが必須です。

本シンポジウムでは、これらの潮流をにらみ、マテリアリティ特定のプロセスや妥当性について理解を深めたいと考えます。

開催概要
日時 2014年12月15日(月)13:00〜16:30(受付12:30〜)
会場 日本財団 大会議室 [地図]
参加費 無料
定員 200名
主催 G4マルチステークホルダー委員会
共催 日本財団、サステナビリティ日本フォーラム、IIHOE [人と組織と地球のための国際研究所]
後援 環境省、外務省
助成 地球環境基金

当日プログラム

12:30 開場・受付開始

13:00 開会

13:05 開会挨拶

13:10 基調講演「マテリアリティと企業価値向上(仮題)」
    ロイドレジスター クオリティアシュアランス リミテッド(LRQA) 事業開発部門長 冨田 秀実 氏

13:40 講演「これから重要となる非財務情報開示と長期ビジョン」
    特定非営利活動法人サステナビリティ日本フォーラム 代表理事 後藤 敏彦

14:00 最新動向「2014年のレポートに見るG4活用の最先端事例(国内&海外)(仮題)」
    株式会社クレアン サステナビリティ・コミュニケーショングループ 冨田 洋史 氏

14:20 休憩(10分)

14:30 最新事例報告
    事例(1)損害保険ジャパン日本興亜株式会社 CSR部上席顧問 関 正雄氏
    事例(2)株式会社セブン&アイ・ホールディングス 取締役 執行役員 CSR統括部シニアオフィサー 伊藤 順朗 氏
    事例(3)大阪ガス株式会社 CSR・環境部 CSR室 室長 原 寛之 氏

15:25 パネルディスカッション「マテリアリティ特定プロセスを企業戦略に活かす」
    コーディネーター:IIHOE [人と組織と地球のための国際研究所] 代表者(CEO) 川北 秀人氏
    パネリスト:損害保険ジャパン日本興亜株式会社 CSR部上席顧問 関 正雄氏
          株式会社セブン&アイ・ホールディングス 取締役 執行役員 CSR統括部シニアオフィサー 伊藤 順朗 氏
          大阪ガス株式会社 CSR・環境部 CSR室 室長 原 寛之 氏

16:25 総括コメント
    ロイドレジスター クオリティアシュアランス リミテッド(LRQA) 事業開発部門長 冨田 秀実 氏
    特定非営利活動法人サステナビリティ日本フォーラム 代表理事 後藤 敏彦

16:30 閉会

登壇者プロフィール(五十音順/敬称略)

伊藤 順朗(いとう じゅんろう)株式会社セブン&アイ・ホールディングス 取締役 執行役員 CSR統括部シニアオフィサー

伊藤 順朗

1982年学習院大学経済学部経営学科卒業、三井信託銀行(現三井住友信託銀行)入社。
1987年同社退社、米国クレアモント大学経営大学院へ留学。1989年同校経営学修士(MBA)修了、ノードストローム社勤務。1990年セブン-イレブン・ジャパン入社。2002年同社取締役。2007年同常務執行役員マーケティング部長。2009年5月より同社持株会社であるセブン&アイ・ホールディングスへ転籍、取締役執行役員事業推進部シニアオフィサー。2011年4月より取締役執行役CSR統括部シニアオフィサー(現職)。

川北 秀人(かわきた ひでと)IIHOE [人と組織と地球のための国際研究所] 代表者(CEO)

川北 秀人

1964年大阪生まれ。87年に京都大学卒業後、(株)リクルートに入社。国際採用・広報・営業支援などを担当し、91年に退職。
その後国際青年交流NGOの代表や国会議員の政策担当秘書などを務め、94年にIIHOE設立。NPOや社会責任・貢献志向の企業のマネジメント、NPOと行政との協働の基盤づくり、CSRや環境・社会コミュニケーションの推進を支援している。特に2001年以来、環境社会報告書・CSRレポートへの第三者意見執筆は計27社116回、市民との対話(ステークホルダー・ダイアログ)のファシリテートは計28社91回を担当。13年度の第三者意見執筆は10社(アルパイン、SGホールディングス、カシオ計算機、協和発酵キリン、積水ハウス、損保ジャパン、デンソー、日立ソリューションズ、ブラザー工業、横浜ゴム)。また、世界初の環境・社会報告書の読者調査である「環境・社会報告書リサーチ」(環境goo主催)でも、2001年の調査開始以来、企画・設計・分析を手がけている。環境gooでの月刊連載コラム「環境・社会コミュニケーションの考え方・進め方」は14年目を迎える。

後藤 敏彦(ごとう としひこ)サステナビリティ日本フォーラム 代表理事

後藤 敏彦

昭和39年東京大学法学部卒業。
サステナビリティ・コミュニケーションネットワーク代表幹事、社会的責任投資フォーラム理事・最高顧問、グローバル・コンパクト・ジャパン・ネットワーク理事、環境監査研究会代表幹事、環境経営学会会長。
環境管理規格審議委員会EPE小委員会委員、環境レポート大賞審査委員会委員、など。
GRIには、アメリカの環境NGO CERES (Coalition for Environmental Responsible Economies)が国連環境計画(UNEP)などの協力でGRIプログラムを開始した1年後(1998年)から、運営委員、理事として2006年まで関与。GRIガイドライン第1版〜第3版(和訳版)では翻訳監修を務める。GRIガイドライン第4版(和訳版)の作成にあたっては、日本のマルチステークホルダー形式で組織するG4マルチステークホルダー委員会にアドバイザーとして関与し、和訳版のピアレビューアーを務める。著書に「環境監査入門」(共著)ほか、講演多数。

関 正雄(せき まさお)損害保険ジャパン日本興亜株式会社 CSR部 上席顧問

関 正雄 氏

東京大学法学部卒業。安田火災海上保険(現・損保ジャパン日本興亜)入社。
2001年以来、社内でCSR推進に関わる。理事・CSR統括部長を経て、2013年CSR部上席顧問。その間、ISO26000日本産業界代表エキスパートとして、グローバルな社会的責任の規範作りに関わる。国内でも、持続可能な発展や社会的責任に関する、内閣府・環境省・経産省・文科省など各省庁委員等も歴任。
現在、損保ジャパン環境財団専務理事として、同財団の中核事業である環境分野の人材育成プログラム推進に関わる。その他、経団連CBCC企画部会長、ESD-J理事、JANIC理事などを務める。2013年4月より明治大学経営学部特任准教授。著書に「ISO26000を読む」(日科技連)、編著に「社会貢献によるビジネスイノベーション」、(丸善出版)共著に「SRIと新しい企業・金融」(東洋経済)、「環境リスク管理と予防原則」(有斐閣)、ほか。

冨田 秀実(とみた ひでみ)ロイドレジスター クオリティアシュアランス リミテッド(LRQA) 事業開発部門長

冨田 秀実

東京大学工学部物理工学科卒。プリンストン大学工学部化学工学修士修了。
ソニー株式会社で欧州環境センター勤務、環境戦略室長を経て、2003のCSR部発足当初から統括部長を約10年務める。その間、ソニーグループへのCSRマネジメントの導入、レポーティング、投資家やNGO等とのステークホルダーエンゲージメント、NGOとの連携プロジェクト、サプライチェーンマネジメントなどCSR全般の統括責任者を務める。2013年2月より、ロイドレジスター クオリティアシュアランス (LRQA) に所属。
GRI (Global Reporting Initiative) 技術諮問委員会 (TAC) 委員、G4マルチステークホルダー委員会委員長 ISO26000策定ワーキンググループにてコミュニケーション・タスクグループ議長を務める。 現在、ISO26000 PPOステークホルダーアドバイザリーグループ委員。環境省の環境コミュニケーション規格に関する研究会委員、 CDPアドバイザリーボード等も歴任。

冨田 洋史(とみた ひろし)株式会社クレアン サステナビリティ・コミュニケーショングループ

冨田 洋史

大学卒業後、IBMビジネスコンサルティングサービス株式会社(現・日本IBM)にて財務・会計分野のコンサルティング業務に従事。クレアン入社後、CSRレポート・統合報告書の企画・編集およびコンサルティング業務に携わる。明治大学法学部、英国ブラッドフォード大学大学院修士課程(紛争解決学)修了。

原 寛之(はら ひろし)大阪ガス株式会社 CSR・環境部 CSR室 室長

原 寛之

1991年に大阪大学法学部卒業、大阪ガス株式会社に入社。
入社後、ガス導管部門、一般管理部門、家庭用ガス機器販売部門、関係会社への出向を経て、2013年4月より現職。

お申し込み

シンポジウムへのお申し込み、誠にありがとうございました。
2014年10月27日時点で定員に達したため、参加受付は終了しています。

お問い合わせ先

特定非営利活動法人サステナビリティ日本フォーラム
〒108-0071 東京都港区白金台3-19-6 白金台ビル5階
Tel:070-5598-0295 Fax:03-5423-6921
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